光コンセントとは?設置場所/種類/設置工事の流れ、おすすめの光回線も紹介
目次
光コンセントとは?設置場所/種類/設置工事の流れ、おすすめの光回線も紹介
光回線を利用するために、光コンセントが必要なのをご存知でしょうか?引っ越し先で光回線を導入する際に、回線事業者に問い合わせると「光コンセントは設置されていますか?」など、質問を受けることがあるかもしれません。
光コンセントがそもそもどいうものなのかわからないと、返答に困ってしまうでしょう。光コンセントの有無によって必要な回線工事も変わってきますので重要なポイントです。
そこで、本記事ではご自宅に光コンセントがあるか確かめる方法や、ないときはどのように敷設工事が行われるのかについても紹介していきます。
光コンセントとは?
光コンセントとは、宅内に引き込んだ光ファイバーと、光信号をデジタル信号に変換するONU(光回線終端装置)をつなぐ差込口です。
光コンセントは、ほかの電子機器のコンセントと同じ、もしくは付近に設置されています。
関連記事:ONUとは?入手方法/設置場所/ランプの意味や、モデムやルーターとの違いも解説!
光コンセントは光回線事業者が所有するものなので、各事業者に対応した光コンセントのみ使用が可能です。
たとえば、auひかりやNURO光などには独自の専用コンセントが存在し、それぞれ提供元が違うため、光回線事業者をまたいで使うことはできないので注意が必要です。
光コンセントとLANコンセント・モジュラージャックの違い
一戸建ての光コンセントは光配線が主流です。一方、集合住宅の光配線方式は3つあり、それぞれに対応するようにパネルを使い分けます。
・光配線方式「光コンセント」
・LAN配線方式「LANコンセント」
・VDSL方式「モジュラージャック」
3種類それぞれに、つなぐ線も異なり、回線速度にも影響が出ます。
それでは、光コンセント、LANコンセント、モジュラージャックの違いについてみていきましょう。
関連記事:光回線にも種類がある!マンションに導入済の「光回線の種類」を確認する方法
光コンセント
光コンセントのパネルは「光配線方式」で取り付けられます。
通常1Gbps~10Gbps以上の高速通信回線が提供され、大容量のデータ転送に向いています。高品質な動画視聴、大人数でのオンラインゲームを快適に利用できるのが特徴です。
集合住宅の場合、外部からつながった光ファイバーケーブルで、共用部のMDF室(※)から各住戸の光コンセントまでつなぎ、純粋な光回線サービスを供給します。比較的、新しいマンションやビルで光回線が導入済みであれば、この光コンセントが既に取り付けられているかもしれません。
※MDF室:集合住宅などで、外部に通じる通信回線をすべて収容し、集中的に管理する集線装置を設置している部屋
LANコンセント
LANコンセントは、集合住宅内の配線が「LAN配線方式」のときに使われます。
壁面のLANコンセントから直接、市販のルーター、あるいは、ホームゲートウェイ(光電話を申し込んだ場合)につなぐことができます。
関連記事:ホームゲートウェイとは?役割やONUやルーターとの違い、トラブルの対処法なども解説!
通信速度は機器や接続方式によって変わり、100Mbps~1Gbpsと変動します。光信号をデジタル信号に変換するため、信号が弱くなったり、ノイズの影響を受けて通信速度が遅くなったりすることがあります。
モジュラージャック
モジュラージャックは、集合住宅内の配線が「VDSL方式」の場合に使われます。
モジュラージャックの挿入口にVDSLモデム、あるいは、ホームゲートウェイ(光電話を申し込んだ場合)につなぐことができます。IPoE方式(IPv4 over IPv6)の対応には別途、市販の無線LANルーターが必要です。
VDSL方式はメタル線を利用するため、通信距離が長くなると速度は低くなります。最大通信速度は100Mbpsでほかの配線方式にくらべて劣ります。
関連記事:VDSL配線方式が原因?VDSLの特徴と、光回線なのに回線が遅い場合の対策
光コンセントは2種類ある
ご自宅にある光コンセントの形はすべて同じではありません。外見は大きく2つに分けられ、光コンセントの形を知っておくと光コンセントを見つけやすくなります。ぜひ頭に入れておいてください。
一体型タイプ
一体型は最も普及している型です。電気用コンセントや固定電話用のモジュラージャック、テレビ用アンテナ端子などとひとつになっており、見た目がすっきりしています。
光コンセントは、パネルの両側についています。光コンセントには「光」「SC光」と記載の確率が高いので、探すときはこれらの表記を目印にしましょう。
ちなみに固定電話用のモジュラージャックはVDSL方式、「LAN」と記載のあるパネルはLAN配線方式で使われます。光コンセントのパネルから、その建物がどの配線方式を採用しているかがわかります。自宅の光回線サービスが、どの接続か判断できない際は見てみるとよいでしょう。
分離型タイプ
建物内の光ファイバーの引き込み方法によっては、光コンセントが分離型タイプになります。
配線ルートが複雑なケースでは分離型になる見込みが高いです。このパターンの光コンセントはONUが別の場所に置かれ、挿入口の通信端子がむき出しでつながれます。エアコンのダクトなどを通り、壁に沿っていたり、床に置かれたりするので、一体型にくらべると外観の見栄えが良くありません。
光コンセントはどこにあるの?
光コンセントがどこにあるか知っておくと、マンションの内見などに行ったとき、すぐに見つけることができます。
光コンセントの設置場所が事前にわかると、家具の配置イメージも立てやすいので、引っ越しの際などは、ぜひチェックしてください。また、同じような場所に設置されていて、知識がないと見分けが難しい「LANコンセント」、「モジュラージャック」についても併記しました。
光コンセントの目印
光コンセントは一体型も分離型も「光」、「光コンセントSC」と記載のあるパネルが多いです。光コンセントの通信端子は円形もしく四角形で、光コンセントには「NTT」ロゴが記載の製品もあります。
一部、パネル製品のメーカーによってはロゴの印字はないです。ちなみにauひかりの光コンセントには「KDDI」の記載があり、これは光コラボレーションモデルの光回線では使うことができません。
一般の電気用コンセントの近く
電気用コンセントについている光コンセントは、電話線の配管を使って光ファイバーを引き込みます。
モジュラージャック付近にあることが多いです。光配線方式を採用しており、1Gbps以上の高速通信でインターネットを快適に利用できます。
エアコンのダクト付近
光ファイバーは他のメタル線などと一緒になると信号が低下するため、建物の設備状況によっては光コンセントが屋外に取り付けられます。
光コンセントは分離型となり、ONUをつなぐ挿入口はエアコンダクトなどを通り、住戸に光ファイバーを引き入れます。
これが光コンセントの分離型です。分離型はむき出しに壁沿いを吊るしている場合が多く、見つけやすいでしょう。
光コンセント以外の差込口がある場合
新しい物件以外では、光コンセント以外の差込口がある物件も多いです。具体的には、LANコンセントやモジュラージャックです。
LANの挿入口は、光回線がLAN配線方式でインターネットを利用するときに使われます。「LAN」と印字されています。Wi-Fiルーターをつなげばすぐに使えるのが特徴です。
電話のモジュラージャックはメタル線で、VDSL方式でインターネット接続する際に使われます。これもメーカーによりますが「TEL」と記載のあるモジュラージャックが目印。初めて光回線を使うときは立ち合いありの工事になる確率が高いです。
引っ越し先の集合住宅で光コンセントの有無を確認する方法
管理会社やオーナーに問い合わせをするのが確実です。光コンセントが光配線方式なのか、それともLANコンセント(LAN配線方式)、モジュラージャック(VDSL方式)なのか聞いておくと、見つけやすいでしょう。
家を探している段階で光コンセントの種類がわかると、家を決めるときの判断材料になるでしょう。できれば、最大速度1Gbpsの光配線方式の物件を選びたいところです。また光コンセントがあっても、建物の回線が撤去されていたら意味がありません。立ち合いなしで済むか把握しておきましょう。
光コンセントが設置済みのとき
賃貸マンションなどに引っ越しをするとき、光コンセントがあれば、立ち合い工事なしで光回線が使える可能性が高いです。
立ち合い工事なしでは工事費用が安く、光コンセントにONUとWi-Fiルーターをつなげるだけで、すぐにインターネットを始めることができるので、光コンセントが既に設置されていれば幸運でしょう。
工事 | 光コンセント | 費用 | 開通までの期間 |
立ち合いあり | 現在なし | 1.5万~2万円 | 2週間から1ヵ月 |
立ち合いなし | 既にあり | 2,000円 | 最短1週間 |
ただし、稀に、光コンセントが劣化していたり、賃貸物件の原状回復のため、マンション内の光配線が撤去されていたりする場合もあります。
その場合は再度、立ち合い工事を行う必要があります。
注)上記の料金表は2023年11月30日までの適用になります。12月1日以降は料金が改訂されますので、詳細はNTT東日本、NTT西日本の公式サイトをご確認ください。
光コンセントがない場合は取り付け工事が必要
では、自宅や転居先に光コンセントがない場合、どうすればよいでしょうか。最大速度1Gbpsの光配線方式での利用には、光コンセントの取り付け工事が必要です。
光コンセントを取り付けるには、光コラボレーション事業者など、光回線を契約する予定の事業者に開通工事を申し込みます。工事は立ち合いが必要になり、家族の誰かが立ち会わなければなりません。
工事費は、依頼する事業者によって多少前後しますが、2023年11月30日までの適用料金で、平均約2万円ほどです。一戸建ての方が、集合住宅よりも高い場合がほとんどで、支払い方法は、一括もしくは2年から3年の分割になります。
12月1日以降は、料金改定があるようですので詳細は詳細はNTT東日本、NTT西日本の公式サイトをご確認ください。
光コンセント設置工事の流れと注意点(戸建ての場合)
STEP.1 電柱から建物に光ファイバーケーブルを引き込む
電柱にぶら下がっている光ファイバーを、自宅に引き込む作業が必要になります。
具体的には光ファイバーを宅内に引き込む際には、以下の3つの方法があります。
- 壁の中にある電話線などの配管を使って引き込む
- ダクトの穴を使って引き込む
- 壁に穴を空けて引き込む
通常は上記の1、2いずれかの方法をとります。稀ですが、家の状況により、1、2のいずれも不可能なときに、3の工程になります。
万が一、穴を開けるときはNTT東日本、NTT西日本の工事業者から作業前に確認が入ります。
STEP.2 室内に光コンセントを設置
STEP.1で引き込んだ光ファイバーを、各住戸に配線するために、光コンセントを住戸内に取り付けます。
前項の1、3の方法で光ファイバーを宅内に引き込んだ場合は、一体型の光コンセントになるケースが多いです。また、2のエアコンのダクトからの場合は、分離型になる確率が高いでしょう。
光電話を利用する際、光コンセントは、現在固定電話の親機がある位置に取り付けられます。
光コンセントの場所によっては、家具や荷物を動かす必要があるので、事前に整理しておきましょう。作業時間は大体1時間から2時間程で終了です。
STEP.3 光コンセントとONUをLANケーブルで接続
工事が終了すると、光コンセントとONUをLANケーブルでつなげ、インターネットが使用できるか確認して、作業は終了です。
その後、ルーターを接続するなどの作業は利用者が行います。
関連記事:光回線の乗り換えは工事不要?工事が不要になるケースを徹底解説
光コンセント設置工事の流れと注意点(集合住宅の場合)
次に集合住宅の場合の、設置工事について紹介します。
STEP.1 集合住宅の共用スペースまで光回線が来ているか
集合住宅はマンションタイプで光配線方式が利用できれば、共用スペースまで光ファイバーが引き込まれている建物が多いです。
このタイプの建物だと、あとは共用スペースから各住戸まで光ファイバーをつなげ、光コンセントを設置するだけなのでSTEP.2に移ります。集合住宅の場合、このパターンの光回線工事は、申し込みから通常2週間から1ヵ月程で完了します。
古い建物などで、光ファイバーが共用スペースまで来てないときは、電柱からマンションの共有スペースへ光ファイバーを引き込む作業が必要になります。
もしくは光配線以外のVDSL方式などが共用スペースまで来ていたり、小さいマンションでMDF室に光ファイバーを引き込めなかったりする場合もあります。その際は、電柱から部屋まで直接、光ファイバーを引き込みます。どちらも事前にオーナーや管理会社に許可をとることが必要です。
STEP.2 共有スペースから分配器を使い、室内へ配線する
STEP.1で共用スペースまで光ファイバーを引き込み、あとは分配器を使って各部屋まで光ファイバーを分散してつなぎます。
引き込み方は戸建てと同じで3つです。
- 壁の中にある電話線などの配管を使って引き込む
- ダクトの穴を使って引き込む
- 壁に穴を空けて引き込む
通常は上記の1、2いずれかの方法をとります。稀ですが、1、2のいずれも不可能なときに、3の工程になります。壁に穴を空けるときは管理会社、オーナーの許可が必要です。この時点の配線方法によって、光コンセントが一体型になるか、分離型になるかが決まります。
STEP.3 各部屋に光コンセントを取り付ける
各部屋に光コンセントを取り付けます。一戸建てと同じく、光コンセントとONUの接続までは工事業者が作業を完了してくれます。ルーターが必要な場合は、利用者で設定が必要です。
「原状回復」に注意
集合住宅には、基本的に引っ越しに伴い光回線を解約するとき、「入居したときの状態に戻す」という「原状回復」の義務が発生します。ただし、光コンセントがあれば、新しい住民にメリットがあることをオーナーや管理会社に伝えれば、撤去しなくてよい場合も多いです。
建物のオーナーや、光回線事業者から指示があるときは、撤去が必要になります。利用者は退去前にその指示に応じなければいけません。
関連記事:光回線をマンションなどの集合住宅で利用するには?導入手順とおすすめの光回線
光コンセントがあるなら光回線がおすすめ!
既存の光コンセントが部屋に取り付けられていれば、立ち合い工事の手間を省くことができます。光回線事業者から送られてくるONUをつなげば、光回線サービスでインターネットを使うことができます。
現状では、光回線サービス最速のインターネット回線ですので、光コンセントがある建物であれば、迷わずに光回線事業者に連絡しましょう。
もし自分で光コンセントが見つけられないときは、光回線事業者への申込時に住所などを伝えると、工事が必要かどうか調べてくれます。
光配線方式でインターネットを使いたいけれど、光コンセントがない場合、開通工事が必要になります。3~5月など、引っ越しが多い季節だと、数カ月待ちになることもあります。早めに申し込みすることがおすすめです。
光コンセントが設置済みで光回線事業者がまだ決まっていない方は、NTTドコモが運営する「ドコモ光」をおすすめします。
「ドコモ光」は光回線No.1シェア(※)を誇り、信頼と実績があります。そして、インターネット接続にはプロバイダ事業者を選択する必要があり、同じNTTドコモが運営元の「OCNインターネット」を選ぶのがよいでしょう。
高速で安定した通信が可能なIPoE方式(IPv4 over IPV6)のインターネット接続を標準提供しており、WiFiルーターの設定など、インターネットに接続するまでの作業を大変だと感じる方には初回無料の訪問サポートもしてます。
※参照:総務省 電気通信事業分野における市場検証(令和3年度) 年次レポート
関連記事:OCNとは?OCN インターネットのメリット・デメリット
まとめ
光コンセントとは光配線方式で1Gbpsの高速通信サービスを利用するために、必要な光回線専用コンセントです。各住戸に取り付ける必要があり、そこからONU、無線LANルーターにつながります。
光コンセントの設置箇所は主に以下の2つです。
・電気用コンセントと一緒についている(光配線)
・ダクト付近にぶら下がっているか、床に置いてある(光配線)
光コンセント以外のコンセントが設置されている場合もあります。
・電話用モジュラージャック(VDSL方式)
・「LAN」と記載があるLANケーブル差込口(LAN配線方式)
光コンセントの工事の注意点のまとめ
・一戸建ては、電柱から引き込み工事になる
・集合住宅は共用スペースに光ファイバーが来ていれば、各部屋に配線するだけ
・集合住宅の共用スペースに光ファイバーが来てないときは管理会社に引き込み許可がいる
・引き込むときに穴あけをする場合がある
・光コンセントの取り付け工事には1万5,000円~2万円までの工事費用が発生(2023年12月1日以降は料金改定あり)
光コンセントがあれば、すぐにインターネットが利用可能です。ぜひ、光回線の導入を検討している方はご自宅に取り付け可能か、もしくは施工済みか調べてみてください。
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