Wi-Fi中継器の選び方!使い道に応じた選び方&おすすめ商品4選
目次
Wi-Fi中継器の選び方!使い道に応じた選び方&おすすめ商品4選
自宅のWi-Fiがつながりにくい場合、Wi-Fi中継器は状況改善に有効な手段です。
この記事では、下記のような中継器の導入にまつわる疑問やお悩みについて解説しています。
- Wi-Fi中継器を導入するメリットや選び方
- Wi-Fi中継の置き場所
- 使用する際の注意点やつながらないときの対処法
- メッシュWi-Fiや似ている機器との違い
最後にはWi-Fi中継器のおすすめを4選紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Wi-Fi中継器とは?
Wi-Fi中継器とは、Wi-Fiの電波が利用できる範囲を拡大し、電波を強化するために設置する機器です。
たとえば、利用するパソコンやスマホとWi-Fiルーターとの間に距離がある場合、Wi-Fi中継器を置くことで電波を強化し、通信状態を良好にします。
電波の特性として、発信元から遠ざかるにつれ電波強度が弱くなり、また、電波は反射する性質を持つため金属やコンクリートなどの障害物があると遮られ反射します。
このような電波特性があるため、居住環境によっては電波が充分に行き届かず通信状態が不安定になることがあります。
そこで、電波が行き届かない場所にも範囲を広げ、利用するパソコンやスマホに電波を届ける役割を担うのがWi-Fi中継器になります。
Wi-Fi中継器を使うメリット
前述のように、Wi-Fi中継器は、Wi-Fiルーターからの電波を中継するものです。ここでは、Wi-Fi中継器を使うメリットについて解説します。
Wi-Fiの届く範囲を広げて「電波の通り道」を作ってくれる
Wi-Fi中継器は、Wi-Fiルーターからの電波を中継してつなぐことで、電波の通り道を作ります。
基本的に、電波は届く範囲が決まっていて、距離が長くなるほど電波干渉を起こしやすくなります。
Wi-Fi中継器は、電波干渉による電波強度の減衰を最小限に抑えるための道筋を作り、電波がつながるための通り道を延長させる役割を持つのです。
ただし、電波強度の減衰は完全に抑えられるものではありません。あくまで電波の通り道を作ることで、減衰を最小限に抑えることを目的としています。
Wi-Fi中継器は有線接続の利用範囲も広げられる
Wi-Fi中継器にはLANポートがついているものもあり、Wi-FiだけでなくLANケーブルを間接的に延長させることができます。
LANケーブルによる有線接続は、使える範囲がケーブルの長さに限定されるのが欠点です。LANポートのあるWi-Fi中継器を使えば、Wi-Fiだけでなく有線LANの利用範囲も広げることができます。
ただし、Wi-Fi中継器からの有線LAN接続でも、親機のWi-FiルーターとWi-Fi中継器との間は無線接続なので、実際は無線接続+有線接続という状態です。
有線LAN接続のみの固定回線と比べると通信の安定性は劣ります。
Wi-Fi中継器の置き場所
先述のとおり、中継器は電波を中継するための機器なので、パソコンやスマホとWi-Fiルーターの中間地点に置けば良いと考えますが、効果が発揮しづらい置き場所もありますので工夫が必要です。
ただ、中継器も電波を飛ばすという点でWi-Fiルーターと同じなので基本的にはWi-Fiルーターの最適な置き場所と考え方は同じです。
周囲に電波を遮る遮蔽物がないか、電波が拡散しにくい部屋の隅には置かないなど、いくつかポイントがあります。下記の関連記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:Wi-Fiルーターの置き場所は?自宅でのベスポジやNG場所、おしゃれな置き方も!
Wi-Fi中継器の選び方
Wi-Fi中継器にはさまざまな通信機能を搭載した機器があるため、自分の環境にあっている製品を選ぶのが重要です。ここでは、Wi-Fi中継器の選び方について解説します。
現在利用しているルーターと同じWi-Fi規格にそろえる
Wi-Fiには通信規格があり、同じ規格同士でなくても利用はできますが、通信速度や通信技術は下位の規格が反映されます。
たとえば、Wi-FiルーターがWi-Fi 6対応で、Wi-Fi中継器がWi-Fi 5の場合、電波の性能はWi-Fi 5のほうが反映されます。
Wi-Fi機器をそろえるのであれば、Wi-Fi 6での統一がおすすめです。ただ、Wi-Fi 5対応ルーターがメインの事業者が多く、Wi-Fi 6対応ルーターを取り扱っている事業者が限られているのが現状です。
「ドコモ光 」のプロバイダ「OCN インターネット」のように、Wi-Fi 6対応ルーター(WX3000HP2)の無償レンタルサービスを実施している事業者もあります。これから光回線の申し込みを考えている方は、ルーターの性能とレンタルの条件も、ぜひ検討してみてください。
有線LANポートの有無で選ぶ
Wi-Fi中継器は、必要に応じて有線LANポートの有無で選びましょう。LANポートが複数あることで、パソコン以外の接続先として、インターネット対応テレビにも利用することができます。
2.4GHzと5GHzを同時接続可能なデュアルバンド同時接続機を選ぶ
Wi-Fi中継器を選ぶ際、デュアルバンド(トライバンド)同時接続に対応しているかをチェックしておきましょう。
デュアルバンド同時接続とは、Wi-Fiの周波数(バンド)を同時接続する技術です。この機能があるWi-Fi中継器は2.4Ghzと5Ghzの2つの周波数を同時に接続することができます。
「デュアルバンド」のWi-Fi中継器には「対応機」と「同時接続式」の2種類があり、2つ以上の周波数を同時に接続できるのは同時接続式のほうです。
対応機の場合、通信する周波数はひとつしか使うことができず、送受信が終わるまで一方の周波数は待機状態になります。同時接続式は2種類の周波数を同時に接続でき、通信が終わるまでの待ち時間がありません。
Wi-Fi中継器は、中継中の電波に待機時間と周波数の切り替え時間が発生するため、同時接続式であればタイムラグがなくなりスムーズな通信が可能になります。
広いエリアで使うなら、ビームフォーミング機能があるものを選ぶ
ビームフォーミング機能とは、特定の接続端末に電波を集中的に飛ばすようにコントロールする通信技術です。Wi-Fiルーターから遠く離れた場所にも安定した電波を送ることができ、建物が広いほど効果を発揮します。
ビームフォーミング機能は、Wi-Fi中継器と接続端末が、両方対応していないと機能しないので必ずチェックしましょう。
Wi-Fi対応機や家族が多いなら、MU-MIMO機能のあるものを選ぶ
MU-MIMO(マルチユーザー・マイモ)とは、Wi-Fi中継器やルーター内部に搭載されたアンテナがそれぞれ独立して電波の送受信を行う通信技術です。複数のWi-Fi機器との同時接続による速度低下が起こりにくく、多人数・多台数によるWi-Fi接続時に効果を発揮します。
ビームフォーミング機能との親和性が高く、Wi-Fi対応機やWi-Fi接続数の多い家庭におすすめの機能です。
設置方法で選ぶ
Wi-Fi中継器の給電方法は、本体をじかにコンセントに挿す「差し込み式」と、電源ケーブルのついた「配線式」の2種類に分けられます。給電方法によって設置の仕方が変わるので、設置する場所を事前にイメージしながら選びましょう。
Wi-Fi中継器の規格にも通ずる「Wi-Fi 6」とは?
Wi-Fiでのインターネットは規格選びが重要です。ルーターはもちろん、Wi-Fi中継器もWi-Fi 6対応機でそろえるのが断然おすすめです。ここでは、Wi-Fi 6についてくわしく解説していきます。
第6世代のWi-Fi
Wi-Fi 6とは、無線通信規格におけるWi-Fi規格の第6世代目のことを指します。
拡張版のWi-Fi 6Eまで登場していますが、Wi-Fi 6EとWi-Fi 6の通信速度は9.6Gbpsと同じです。普及率を考慮すれば、急いでWi-Fi 6Eに対応する必要性はありません。
Wi-Fi 5はWi-Fi 6まで長くWi-Fiの主流だったため、現在も使用率の高い規格です。
最大通信速度は6.9GbpsとWi-Fi 4の600Mbpsをはるかに超え、Wi-Fi規格初のギガ超えになりました。現在の普及率はWi-Fi 6とWi-Fi 5が高いため、少なくともWi-Fi規格はWi-Fi 5以上でそろえておくことをおすすめします。
Wi-Fi 6とIEEE802.11xの違い
Wi-Fiは無線LAN規格の互換性をあらわす呼称で、IEEE802.11は無線LANの通信規格という関係性です。
IEEE802.11xは無線LANの第6世代目の規格で、Wi-Fi 6は規格の世代をわかりやすくあらわした呼称、という違いになります。
Wi-Fiは第4世代からナンバリングが始まり、それ以前にはWi-Fi〇という呼称はありませんでした。
同時接続でも速度が落ちにくい
Wi-Fi 6からはOFDMAという通信技術が採用され、周波数を分割することで、複数のユーザーが混信せず共有できるようになりました。
OFDMAが使えるWi-Fi 6では、多人数による同時接続での速度低下が起こりにくいのが特徴です。
省エネで端末が長持ちする
Wi-Fi 6からの新技術に、TWTという消費電力を抑える省エネ機能が導入されています。
TWTとは、Wi-Fiに接続していない端末の通信機能をスリープ状態にし、大気中の消費電力を抑えることができる技術です。待機中の消費電力をコントロールすることで、不要なデータの消費やバッテリーの消耗を抑えてくれます。
Wi-Fi中継器とメッシュWi-Fiやアクセスポイントとの違い
Wi-Fi中継器と混同しやすい機器に、メッシュWi-Fiとアクセスポイントがあります。機器にはそれぞれどのような違いがあるか、くわしく解説していきましょう。
中継器とメッシュWi-Fiの違い
中継器はWi-Fiの電波を中継して利用できる範囲を広げるのに対し、メッシュWi-Fiはさらに最適かつ効率の良いネットワークを構築できる機器です。
メッシュWi-Fiは、その名の通り、網の目のようなネットワークを構成するのが特徴で、家のすみずみまで快適にWi-Fi接続ができるようになります。基本的に親機と子機のペアで設置し、子機は追加も可能です。
中継器は電波の切り替えや中継地点までの誘導はできますが、メッシュWi-Fiのように高度なネットワークシステムを持ち合わせていません。ただし、メッシュWi-Fiは中継器よりも価格帯が高くなります。
アクセスポイントと中継器の違い
アクセスポイントとは、Wi-Fiの電波を送受信する機器の名前です。中継器との違いを簡単に説明すると、飛ばす電波を変換できるかできないかの違いになります。
アクセスポイントはLANケーブルで接続した有線LANの信号をWi-Fiに変換して飛ばしたり、Wi-Fiルーターからの電波を送受信したりするなど、建物内に小型の通信基地局を作ります。それに対して中継器は、電波を中継して利用範囲を広める中継に徹する役割です。
アクセスポイントには個人用と法人用があり、法人用は同時接続数と電波の範囲が個人用より広く、機能性の高いものとなります。
中継器を使用する際の注意点
中継器を使用する際の注意点を解説します。特に気をつけるべき点をまとめたので、購入する前の事前チェックにご活用ください。
シングルバンドは通信速度が半減する
シングルバンドの中継器では、電波の中継時に使用できる周波数はひとつに限られます。
中継器と接続端末間で通信する際、周波数を2.4GHzと5GHzで切り替えながら処理が行われます。それぞれの周波数をひとつずつ切り替えて処理するため、中継時の処理速度は通常より倍の時間がかかるおそれがあるのです。
さらに複数の端末で同時接続している場合、1台ずつ通信が終わるまで待機時間が発生します。Wi-Fiの利用範囲を広げることはできても、速度低下でストレスを抱えかねません。中継器を選ぶ際は、デュアルバンド「同時接続」を選びましょう。
親機の劣化や規格落ち
Wi-Fiは通信規格によって最大通信速度や使える機能が異なるため、中継器を導入する際は接続端末との規格を統一させることを最優先にしましょう。
中継器のWi-Fi規格がWi-Fi 6でも、ルーター機器や接続端末がWi-Fi 5以下だと古い規格のほうを優先されるのです。
すべての機器で統一が難しい場合、将来的な買い替えを考慮して最新規格のWi-Fi 6を選びましょう。余裕ができてから買い替えるのもひとつの方法ですが、劣化した機器は不具合の元になるので早めに新しいものとへの交換をおすすめします。
Wi-Fi中継器がつながらないときの対処法
機器の故障以外で、Wi-Fi中継器がつながらない場合の対処法をご紹介します。電波がつながりにくいときなど、ぜひお試しください。
設置場所を変える
Wi-Fi中継器はWi-Fiルーター同様、電波が通りやすい場所に設置するのがおすすめです。差し込み式でよく見られるのが、床に近い場所への設置です。コンセントは低い場所に設置されていることが多いので、仕方がない部分はありますが、できるだけ周辺にはものを置かないようにしましょう。
WPS設定を手動に切り替える
Wi-Fi中継器によっては、WPS機能でWi-Fiの自動接続設定が行えるものがあります。ボタンひとつで接続設定が完了する便利な機能ですが、まれにWPS機能が正常に行われないことがあるのです。頻繁に不具合が起こる場合は、Wi-FiルーターのSSIDとパスワードを手動で確実に入力しましょう。
再起動する
Wi-Fi中継器に不具合が起きている場合、電源のON/OFFで本体に再起動をかけることで改善されるケースがあります。一時的な不具合は再起動で直るケースが多いので、Wi-Fiが重く感じたときに試してみましょう。
Wi-Fi環境計測アプリを導入する
Wi-Fi中継器を設置する前に、Wi-Fiの電波強度の計測やヒートマップを作製できる「Wi-Fi環境計測アプリ」を導入してみましょう。自宅のWi-Fiをスマホ画面で可視化し、電波の範囲を確認しながら適切な場所にWi-Fi中継器の設置が可能です。アプリストアから、おすすめのフリーソフトを紹介します。
Wi-Fi環境計測アプリの一例
WiFi Analyzer
Wi-Fiの電波をグラフで可視化し、メーターや音で電波強度を教えてくれます。
Wi-Fiミレル
自宅の間取りをアプリに取り込み、部屋ごとのWi-Fi強度をヒートマップで簡単に確認できます。
メーカー別おすすめWi-Fi中継器4選
最後にメーカー別におすすめWi-Fi中継器を4選ご紹介します。
それぞれのWi-Fi中継器のおすすめポイントを紹介していますので、ご自分に合ったWi-Fi中継器選びにご参考ください。
BUFFALO AirStation connectシリーズ
バッファロー社独自の技術「Wi-Fi EasyMesh™」と「アドバンスドQoS」で、自宅のネットワークを最適化するメッシュWi-Fiの人気シリーズ製品です。専用の「connect管理アプリ」で、スマホから簡単にネットワークの構成と接続機器を一元管理できます。
- Wi-Fi 6・IPv6・トライバンド・ビームフォーミング対応モデル
- 干渉波自動回避機能で電波干渉に強く、複数同時接続でも高速通信が可能
- Wi-Fiでは不向きとされる4K動画やオンラインゲームも楽しめる安定感
ELECOM WTC-X1800GC-W
エレコム社から販売されているお手ごろ価格のWi-Fi 6対応Wi-Fi中継器です。1万円を切る低価格ながら、Wi-Fi 6対応とハイパワー内蔵アンテナ、最新セキュリティ規格と価格以上のハイスペックが魅力。特許申請済みの「離れ家モード」を使えば、従来品では抵触した、自宅と離れた離れ家とのWi-Fi通信が可能です。
- 安価で高性能なコンセント直付け型スタンダードモデル
- 離れ家とのWi-Fi接続も法的に問題なくつなげられる
- Wi-Fi 6はもちろん各キャリアの5G回線のWi-Fi中継も動作確認済み
NEC Aterm WX3000HP2
こちらの製品は厳密にいうと無線LANルーターですが、中継機能でWi-Fi中継器として使えるので例外として紹介します。NEC社のAtermシリーズは高性能・高コスパが特徴的で、プロバイダのルーターレンタルでも用いられている、Wi-Fi 6対応のスタンダードモデルです。
高速安定通信と広範囲通信はもちろん、モード切り替えでルーター・中継器・アクセスポイントの1台3役の多機能型です。ルーターモードの6つある通信モード(IPv4 over IPv6)は、transixとOCN バーチャルコネクトにも対応し、ドコモ光の光回線に最適です。
なお、「ドコモ光」のプロバイダ「OCN インターネット」では、Wi-Fi 6対応ルーター(WX3000HP2)の無償レンタルサービスを実施しております。
・最大同時接続数18台のWi-Fi 6対応無線LANルーター
・transix、クロスパス、v6プラス、OCNバーチャルコネクトなど6つの接続サービスに対応
TP-Link RE505X
Wi-Fi中継器の大手「TP-LINK社」製のコンパクトなWi-Fi 6対応中継器です。ギガビットイーサネットポート搭載で、有線LAN接続時は、光回線並みの1Gbpsを実現しています。ブリッジモードへの切り替え機能を搭載しているので、Wi-Fi 6対応デュアルバンド同時接続のアクセスポイントとして利用可能です。
専用アプリの「Tether」対応で、初心者の方でもスマホひとつで、最適な設置場所や接続機器の管理が簡単に行えます。
商品名:TTP-LINKAC1200 無線LAN中継器 RE305 V3.0 (JP)P-LINK TP-Link RE505X AX1500
・Wi-Fi 6対応とギガビットイーサネットポート搭載で無線・有線どちらでも高速通信が可能
・ブリッジモードに切り替えればスムーズなデュアルバンドアクセスポイントに早変わり
・専用アプリのTetherでTP-LINK製のWi-Fi中継器とLANルーターを一括管理
まとめ
Wi-Fi中継器とは、Wi-Fiルーターからの電波を中継し、通常では届かない場所まで利用範囲を広げるのが役割の機器です。メッシュWi-Fiやアクセスポイントなどと似ていますが、Wi-Fi中継器は、Wi-Fiの範囲を広げる以上のことは基本的にできません。
そのため、Wi-Fi中継器を選ぶ際は、電波をスムーズに届けるための機能性が高いものを選ぶことが重要です。自宅のWi-Fiがつながりにくいと感じたときは、今回の内容を参考に、Wi-Fi中継器の導入を検討してみてください。
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