Wi-Fiの電波を強くする方法は?周波数の違いや役立つアイテムを解説!

目次
Wi-Fiの電波を強くする方法は?周波数の違いや役立つアイテムを解説!
Wi-Fiの電波が弱く、速度低下やつながりにくさを感じた経験はありませんか?Wi-Fiの電波が弱いのは、電波特性の影響で電波強度が下がってしまっていることが原因として考えられます。
今回は、Wi-Fiの周波数ごとの電波特性と電波干渉による電波強度が下がる原因を解説し、電波強度を上げるための対策方法や便利アイテムの紹介・解説をします。
Wi-Fiの電波が弱くなるのは、電波特性による影響が原因!
Wi-Fiの速度が低下したり、つながりにくくなる原因に、電波が弱いことがあげられます。電波は性質や特性上、ルーターとの距離やほかの電波との兼ね合いで弱くなることがあります。ここでは、Wi-Fiの電波特性について、詳しく解説します。
Wi-Fiの電波干渉とは
Wi-Fiは、電波干渉によって通信品質が低下することがあります。Wi-Fiの電波干渉とは、電波同士が互いにぶつかることで混線を起こし、速度低下や通信状態が不安定になる状態を指します。
電波は、別の電波や障害物など、周辺環境に影響を受けやすい性質を持っています。目に見えない電気の波が空間を飛び交っているため、どのような状態なのかは目視で確認できません。
そのため、Wi-Fiの利用状況やルーターの設置場所、環境が適切かどうかを推測・確認する必要があります。
参考までにWindows10/11で、コマンド操作を用いてかんたんに電波強度を確認する方法をご紹介します。
手順は以下の通りです。
- PC画面で「windowsキー」+「R」を入力
- ファイル名を指定して実行のダイアログが表示されたら、検索窓に「cmd」を入力してOKボタンを押下
- コマンドプロンプトの画面が表示されたら、「netsh wlan show interface」を入力してEnterキーを押下
- コマンド入力結果が表示されたら、「シグナル」の値を確認する。
この「シグナル」の値が電波強度を示しています。目安として90%以上あれば、Wi-Fiの電波強度は良好な状態といえます。
ほかに、Wi-Fi環境を計測できるアプリもありますので、あわせてご紹介します。
参考までに、Wi-Fi環境を計測できるアプリをご紹介します。
- WiFi Analyzer
Wi-Fiの電波をグラフで可視化し、メーターや音で電波強度を教えてくれます。
電波強度を測る数値として「dBm」(デシベルミリワット)が使われています。値は0~-100までで表示され、数値が大きいほど電波強度が強いことを意味します。目安として-50dBm以上あれば良好な状態といえます。
- Wi-Fiミレル
自宅の間取りをアプリに取り込み、部屋ごとのWi-Fi強度をヒートマップで簡単に確認できます。Wi-Fiの電波強度が赤から緑のレイヤーで色分けされており、視覚的にも分かりやすいです。
電波干渉の原因
電波干渉の原因として、同じエリア内に複数の電波が混在して、電波同士が衝突を起こすことがあげられます。電波は、お互いが干渉してその流れを阻害しあい、速度低下やつながりにくさを招いてしまいます。
Wi-Fiの電波は、使用する周波数帯が同じ、または近いほど電波干渉が起こりやすくなります。したがって、電波干渉は、Wi-Fiや家電に幅広く使われている2.4GHz帯の周波数の電波で、発生しやすくなります。
Wi-Fiと同じ電波が使われている家電
前述した2.4GHz帯の電波についてもう少し詳しく説明しましょう。Wi-Fiの電波でよく用いられている周波数の2.4GHz帯は、家電でもよく用いられています。2.4GHz帯の電波が使われている家電の一例を紹介しましょう。
2.4GHz帯の電波が使われている家電一例
- テレビ
- プリンター
- 洗濯機
- コードレス無線電話
- ワイヤレスイヤホン
近年の家電はWi-Fi対応の製品が多く出回っており、スマートホーム家電と呼ばれるものが増えています。Wi-Fiに対応している家電や機器は、基本的に2.4GHzになります。
Wi-Fiの電波の強さは電波強度で判断する
そもそも電波強度とは、文字通り電波の強さを示す目安のことです。電波強度は「RSSI」(Received Signal Strength Indicator)と呼ばれる指標で、数字と「dBm」の単位で目安を示します。dBmはマイナスの数値から0に近くなるほど電波強度が高いとされています。
参照:無線状況が良好なRSSI(電波強度)はどの程度ですか | BUFFALO
Wi-Fiの電波を強くする方法
Wi-Fiのつながりをよくするには、電波強度を上げて安定性を高めることが重要です。ここでは、Wi-Fiの電波強度を上げる方法を紹介します。
Wi-Fiルーターの場所を変える
電波を受信するWi-Fiルーターの位置、Wi-Fiを受け取る接続端末の使用場所に問題があると電波強度は下がります。
Wi-Fiはルーターを中心に360度全体に飛ぶため、電波の方向に障害物やほかの電波があると衝突や反射、干渉を起こして電波強度を下げてしまいます。
電波強度を上げる基本として、Wi-Fiルーターを障害物が少なく、電波が届きやすくなる場所に設置しましょう。
関連記事:Wi-Fiルーターの置き場所は?自宅でのベスポジやNG場所、おしゃれな置き方も!
周波数を切り替える
Wi-Fiの電波には2.4GHzと5GHzの周波数が割り振られており、それぞれ電波特性が異なります。
2.4GHzは電波が障害物を回り込んで進み長距離まで届けることが可能です。5GHzは電波が直進するので高速通信が可能な反面、壁などの障害物にぶつかりやすく届く距離と範囲が狭いという違いがあります。
5GHzは基本的にWi-Fiでしか利用できない周波数帯なので、可能であればパソコンやスマホとの間にドアや仕切りなどの遮蔽物がない場所にWi-Fiルーターの置くなど工夫して、5GHzの周波数帯を使用するのがよいでしょう。
周波数帯の切り替えでは、Wi-Fiルーターに「バンドステアリング機能」が搭載されているものもあります。この機能は2.4Ghzと5Ghzなど各周波数帯を最適に自動設定してくれます。このような機能を搭載したルーターを利用するのもよいでしょう。
チャンネルを変更する
Wi-Fiルーターは、チャンネル機能でひとつの周波数を分割することができます。
チャンネル機能は、Wi-Fi接続に使用する周波数を分割することで、ひとつの周波数を使いながら複数台の接続機器で同時接続することが可能になります。
分割した周波数をチャンネル番号で割り振り、使用しているチャンネル(周波数)で管理することで電波干渉を起こさずスムーズにつなげることが可能です。Wi-Fiルーターのチャンネル機能は機器ごとに違いますが、設定方法はどの機器もほぼ共通になります。
アンテナの向きや角度を調整する
Wi-Fiルーターには、内蔵型と外付け型の2種類のアンテナがあります。外付けは可変式なので、電波がつながりやすい方向へ、向きを調整できるのがポイントです。
内蔵アンテナはWi-Fiルーターの性能に依存しますが、Wi-Fi 6以降に採用された「ビームフォーミング」機能搭載型なら、自動で電波のつながりやすい方向へ誘導してくれます。
I-Oデータ WN-DEAX1800GR/E
可動式アンテナでWi-Fi電波を好きな方向に調整できるWi-Fi 6対応ルーター
ビームフォーミングとは?
ビームフォーミングとは、電波を特定の方向に集中して送受信を行う機能です。
ルーターに内蔵されているMU-MIMO(マルチユーザー・マイモ)のアンテナがそれぞれ独立して機能し、電波の送信と受信を同時に行う技術と組み合わせることで電波強度を上げられます。
ただし、ビームフォーミングなどの新技術を生かすには、Wi-Fiの通信規格がWi-Fi 6以上であることが条件です。
ルーターやスマホ・パソコンなどの接続端末を再起動する
Wi-Fiルーターや接続端末を再起動すると、Wi-Fiの状態が改善されるケースがあります。一時的な不具合などに対する対処法なので、電波強度を上げる根本的な方法にはなりませが、急にWi-Fiがつながりにくくなったと感じた際は、試してみてください。
ファームウェアをアップデートする
ファームウェアとは、コンピュータや電子機器などのハードウェアに内蔵されているソフトウェアの一種です。
ルーターのファームウェアを最新の状態にアップデートすることで、セキュリティ機能向上のほか、不具合などの修正でネットワークの安定性が向上することがあります。
Wi-Fi 6を導入する
Wi-Fiは、4以降ナンバリングが開始され、数字が上がるほど最新の世代になります。
Wi-Fi 6では、OFDMA(直交周波数分割多元接続)という無線通信方式の技術が採用され、複数端末を同時接続しても従来より快適なネットワーク接続が可能になりました。
Wi-Fi 6の導入には対応するルーター、スマホなどを用意する必要があります。ルーター側でWi-Fi 6に対応していても、スマホ側がWi-Fi 5までしか対応してない場合、下位互換が優先されるので、この点は注意が必要です。
関連記事:Wi-Fi 6対応のiPhone機種は? 使用するメリットも合わせて解説
同時接続台数を減らす
通信回線に負荷がかかることでも、通信速度の低下や接続不良を起こすケースがあります。同時接続数が多い場合、接続台数を減らすことで改善が可能です。
Wi-Fiへの負荷を減らす方法なので、電波強度を上げる根本的な方法にはなりませんが、通信状態はよくなる可能性があります。
Wi-Fiの電波を改善するアイテム
Wi-Fiの電波がつながりにくく、通信速度が遅いときに役立つ改善アイテムやツールをご紹介します。電波強度を上げたいときは、ぜひご活用ください。
電波干渉の自動回避機能を搭載した機器の導入
Wi-Fiルーターのなかには、電波を阻害するノイズなどを検知し、電波干渉を回避してくれる製品があります。
電波が混線を起こさないよう、Wi-Fiルーターがチャンネルを自動変更してくれるので、面倒な設定は必要ありません。Wi-Fi家電が多い自宅に導入することで、電波強度が上がりスムーズなWi-Fi環境を整えられます。
【おすすめのルーター】
バッファローWXR-6000AX12P/D
- バンドステアリング機能により、最適な周波数帯に自動設定
- 干渉波自動回避機能を備えた可変式高速Wi-Fiルーター
- WAN 10GbEポート搭載で10G回線のフレッツ光 クロスに対応
- Wi-Fi EasyMesh機能で自宅のWi-Fiがスムーズにつながる
中継器やメッシュWi-Fiの導入
Wi-Fiの電波が届きにくい・つながらない場所がある場合、中継器やメッシュWi-Fiを設置することで電波の範囲を広げることもできます。
広い自宅やWi-Fiの使用場所が2階や階下など離れた場所にある場合、中継器やメッシュWi-Fiを導入してみてはいかがでしょうか。
ただし、これらは、Wi-Fiを中継するのが本来の役割のため、電波強度そのものを上げるわけではありません。あくまで、電波を遠く離れた場所へ、電波強度を落とさずに中継するものです。
TP-LINK AX3000 Deco X60(1-Pack)(JP)
- Wi-Fi 6対応でOFDMAとMU-MIMOの新技術を搭載したメッシュWi-Fi
- 専用アプリ「TP-Link Tether」で中継器の設置・設定からセキュリティ対策まで対応
関連記事:Wi-Fiの弱点を補う存在?メッシュWi-Fiを使うメリットとは
関連記事:Wi-Fi中継器の選び方!使い道に応じた選び方&おすすめ商品4選
まとめ
Wi-Fiは、電波の強さが通信速度や安定性に大きく影響します。電波はほかの電波や障害物にぶつかることで、徐々に減衰してつながりにくくなるのです。
Wi-Fiの周波数は2.4GHzと5GHz。それぞれの電波特性を把握し、状況にあわせて使い分けることも必要です。電波を効率良く届ける機能を搭載した機器、電波の流れや状況を可視化できるアプリの活用が電波強度を上げるコツです。
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