通信速度が期待できるFTTHとは?接続の仕組みやメリットを詳しく解説
目次
通信速度が期待できるFTTHとは?接続の仕組みやメリットを詳しく解説
光回線について調べているときに、FTTHという単語を見かけたことはありますか? FTTHは光回線の中で、もっとも通信が速く安定する配線方式です。しかし、場合によってはFTTHを利用できないケースもあります。せっかくの光回線なのに、ケースによっては遅い通信になってしまうことも……。そこでこの記事では、FTTHの概要やメリット、注意点、FTTHを利用できるか確認する方法を紹介します。
最速はFTTH!FTTHなど配線方式ごとの特徴を解説
FTTHは、光回線の配線方式のひとつで、1Gbps以上の通信速度を出せる、家庭向け(一部、オフィス向け)光ファイバー通信の方式です。同じ光回線でも、光回線の配線方式には、FTTHを含めて以下の4つがあります。
- FTTH
- FTTB
- FTTC
- FTTN
光回線の仕組み
光回線とは、光ファイバーを使った通信回線のことです。光ファイバーは石英ガラスやプラスチックでできたケーブルで、光の反射や屈折を利用してデータを転送します。ただし、FTTH以外は、直接自宅まで光ファイバーで接続されておらず、途中で別の回線に切り替わる形となります。
FTTH
FTTHは、「Fiber To The Home」の略称で、もっとも通信速度が速い回線方式です。平たく言えば、光ファイバーが自宅まで接続されているということです。
光回線の基となっている設備「通信基地局(以下基地局)」から、「自宅のONU(光回線終端装置)」まで、光ファイバーで直接つながっているため、光回線における配線方式の中で、もっとも通信速度が速いことが特長です。最大通信速度が「1Gbps以上」のサービスで提供されているものは、基本的にFTTHの配線方式。配線方式で選ぶなら、FTTHがおすすめです。
関連記事:ONUとは?入手方法/設置場所/ランプの意味や、モデムやルーターとの違いも解説!
FTTB
FTTBは「Fiber To The Building」の略称です。FTTB方式は主にマンションやオフィスビルなど、ひとつの回線を複数の部屋に分配している物件で採用されており、LAN方式やVDSL方式といった配線方式がFTTBにあたります。
関連記事:VDSL方式が原因?VDSL方式の特徴と、光回線なのに回線が遅い場合の対策
基地局から建物のMDF室(物件の共有スペース)までが光ファイバーケーブルでつながっており、MDF室から各部屋へは、電話線やLANケーブルなどで利用されているメタルケーブルで接続する配線方式です。FTTBの通信速度は、直接つなげるFTTHよりは劣ります。
FTTC
FTTCは「Fiber To The Curb」の略称です。建築物の手前まで光ファイバーケーブルでつながり、そこからはメタルケーブルを使う配線方式です。建築物の手前からメタルケーブルに切り替わるため、通信速度はFTTBよりさらに遅くなる傾向にあります。
FTTN
FTTNは「Fiber To The Node」の略称です。室外までは光ファイバーケーブルでつながっており、室内へはメタルケーブルでつながっている配線方式です。FTTNは主に、ケーブルテレビが供給するインターネットの回線で利用されています。
関連記事:インターネット回線速度の速い光回線!目安はどのくらい?
関連記事:光回線はどこがいい?導入する前に知っておきたいおすすめの光回線とは
FTTHのメリット
FTTHで接続できれば、以下2つのメリットが得られます。
- 通信速度が速い
- 距離に関係なく品質が保たれる
以下にて、それぞれ解説していきましょう。
メリット1:通信速度が速い
FTTHは、基地局から自宅まで光ファイバーが直通しているため、光回線の中でもっとも通信が速い配線方式です。そのほかの配線方式は、途中から光ファイバーではなく、電話線やLANケーブルなどに使われるメタルケーブルでつながっているため、どうしても通信が遅くなってしまいます。FTTHであれば、ケーブルの切り替えがないため、ほかの配線方式にくらべ、速い速度が期待できます。
メリット2:距離に関係なく品質が保たれる
FTTHは、基地局から自宅まで光ファイバーでつながっているため、距離が離れていても、通信の安定性が高い配線方式です。そのほかの配線方式は基地局から各住居まで光ファイバーケーブル以外に、電話回線やLANケーブルなど他の配線を経由するため、光ファイバーが住居まで直通するFTTHに比べて通信の安定性に劣ります。
FTTHで光回線を契約する際の注意点
FTTHで光回線を契約する場合、以下2つの注意点に気をつけてください。
- 開通までに時間がかかるケースがある
- マンション(集合住宅)では、速度が劣るFTTBになる可能性がある
以下にて、対処法を含めて解説していきましょう。
注意点1:開通までに時間がかかるケースも
FTTHで光回線を契約する場合、開通してインターネットを利用できるまでに時間がかかる場合があります。なぜなら、FTTHでは各戸に光ファイバーを接続するため、屋内・屋外の工事が必要になるからです。
光回線を申し込んでから工事が行われるまでの期間は、早ければ1週間、遅い場合には1か月以上待ってから工事が行われるケースもあります。建物全体に光ファイバーが接続されているFTTBなどにくらべると、利用できるまでに時間がかかるかもしれません。
テレワークですぐに必要な場合は、早めに申し込んでおきましょう。引っ越しシーズンの2月から4月は申し込みが多い傾向にあるので、前もって申し込むと安心です。どうしても、工事完了まで待てないという切羽詰まった状況であれば、ポケット型Wi-Fiを利用するのも手です。
関連記事:ポケット型Wi-Fiはおすすめ?種類やレンタルについて詳しく解説
注意点2:マンション(集合住宅)では、速度が劣るFTTBになる可能性も
マンションやアパートといった集合住宅の場合、通信速度が劣るFTTB方式になる可能性があります。マンション(集合住宅)の場合、棟内共有スペース(MDF室)までが、光ファイバーケーブルで、そこから各戸へは、別の配線方式でつながっていることもあるからです。
各戸に分配する場合は、「光配線方式」「LAN配線方式」「VDSL方式」のいずれかに分かれます。
- 光配線方式:各戸の接続口まで、光ファイバーケーブルで接続(最大通信速度:1Gbps)
- LAN配線方式:MDF室までは光ファイバーケーブル、各戸にはLANケーブルで接続(最大通信速度:1Gbps、LANケーブル次第では最大100Mbps)
- VDSL方式:MDF室までは光ファイバーケーブル、各戸には電話回線で接続(最大通信速度:100Mbps)
回線速度や安定性が気になる方は、入居前に一度、管理会社などに物件の配線方式を確認しておくと安心です。
関連記事:光回線をマンションなどの集合住宅で利用するには?導入手順とおすすめの光回線
FTTHを利用したいときは?
FTTHで接続したいのであれば、以下の2つを事前に確認してみましょう。
事前確認1:FTTHの利用が可能か
入居前であれば、FTTHの利用が可能か確認しておきましょう。「インターネット回線アリ」の集合住宅の場合でも、光回線の配線が光配線方式ではない場合があります。古い集合住宅には「VDSL方式」が多い傾向にあり、新しいマンションのほうが「光配線方式」の可能性が高いです。
内見のときに、室内に光コンセントがあるかチェックしてみてください。光コンセントがあれば、その物件は光配線方式になっています。入居前であれば、不動産物件の情報を確認するか、管理会社などに問い合わせるのが確実です。
関連記事:光コンセントとは?設置場所/種類/設置工事の流れ、おすすめの光回線も紹介
事前確認2:プロバイダの料金プランを確認
契約時に、プロバイダの料金プランを確認しておきましょう。光回線には「戸建てプラン」と「マンションプラン」があります。マンションプランは月額料金が安いですが、これはFTTB方式になっているからです。FTTHが利用できるプロバイダでも、料金プランやサービスなどに違いがあるため、自分が納得できるものを選んでください。
物件の管理会社などの許可が下りれば、マンションでも直接部屋まで回線を引くことができます。またフレッツ光、光コラボレーション、ダークファイバー系サービス、電力会社の独立系サービスなどにより、実際に利用した際の通信速度が異なる可能性もあるので注意しておきましょう。
関連記事:光回線は何種類?回線ごとの特徴と、おすすめのサービスの選び方
まとめ
FTTHは、基地局から自宅までを直接光ファイバーケーブルを接続した配線方式で、もっとも通信が速く安定しています。しかし、マンションなどの集合住宅では、FTTHが利用できない場合があります。建物内の配線がメタルケーブルだと通信が遅いので、入居前に配線方式を確認しておきましょう。
なお、マンションで光回線を利用する場合には、月額料金が安く、通信の安定性にも優れている「ドコモ光 」の「OCN インターネット」がおすすめです。IPoE(IPv4 over IPv6)方式のインターネット接続を標準提供しているため、回線の混雑状況が緩和され通信速度と安定性に優れます。また、光回線工事が必要な場合、工事完了後のインターネット接続の設定についても、ご自宅まで訪問してサポート(初回無料)することが可能なので、設定作業に不安な方はサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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